2019年【年間優秀句】
お待たせしました。2019年「年間優秀句」を発表いたします。
[採点方法]2019年に行った句会の天の句37句より、
各自、良いと思った句を5句選ぶ。なお、自分の句は選んではいけない。
(赤字は選者)
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去年今年時のすき間に栞挿す 風樹 奈、す
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柏手に屋根轟かせ雪の滝 めんこ
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北風や音ちぎれとぶ救急車 すみれ 稚、み、風
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寒雷やチューブからでてひっこめり 鉄平 与
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電気工かすみ点していなくなり 鉄平 苦、十、す
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勝敗に残り香のあり歌留多会 すみれ 奈、み、鉄
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転んでも起きて駆け出し春たける 庵々 苦、稚
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虹淡しまあるく握る泥だんご 稚女
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誕生の家で遺影がつと動く 風樹 鉄
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ふくらはぎ満員電車を切り裂いて 与太郎 十、鉄、風
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若葉雨前行く人の背に染まる みみず め、み
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山なかの竹林の雨首夏を帯ぶ 庵々 十
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満ちみちて甕の底から人の声 苦楽亭
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雨蛙途方に暮れて振りかえる 風樹 奈、稚
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はみ出してる若葉が好きでハイタッチ すみれ み、鉄
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名刺入れ空っぽになり花は葉に めんこ
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蛇口より温水に変わるまでの虚無 風樹 奈、め、智
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長雨に膠乾かず琥珀の蚊 めんこ 苦、す、与、智
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金魚鉢朝の光は一点に 智 風
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生まれたての朝の空気に茄子の紺 すみれ 奈
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迎え火の燃え尽きたあと涼風や 風樹 智
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玻璃光り短冊の指揮風の唄 めんこ
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湖上より音走りくる花火かな 智 十、稚、風
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キリンゆく首はため息の通いみち 風樹 め、与、鉄
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なみだ跡遮光器土偶の目の端に 風樹 苦、す
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遠泳や雲の島にて食うあんパン 鉄平 風
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ひまわりの種の数列中心円 すみれ 苦、め
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車輪錆び始める音冬ざれて 苦楽亭 す、め、与、智
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おしどりのつがい諍う流山 十忽
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流山旧道飾る寒桜 十忽
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農婦来て地蔵いよいよ着膨れし 鉄平 十、稚、み
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月光冴えて眠る人迷う人 苦楽亭
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風冴ゆる折り鶴が向くその向こう 奈津
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冴え冴えと種族の年表終わりけり 鉄平 与
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三絃の二上がりの音の冴ゆる夜 十忽 智
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久方の外路や白線冴ゆひかり みみず
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モノクロの冴えの境界流血す 与太郎
という訳で見事「2019年 年間優秀句」に輝いた句は
長雨に膠乾かず琥珀の蚊 めんこ
車輪錆び始める音冬ざれて 苦楽亭
の2句でした。おめでとうございます。