俳句結社 柳橋句楽部

師匠なし、添削なしの自由気ままな俳句の会です。メンバーおのおので句評をぶつけ合います。月1回、都内某所で開催(現在はコロナにつきビデオ句会が主)。会員12名。句評(句の感想)のカキコミお願いします! また、仲間を募集中。興味ある方はぜひご連絡ください。

2019年【年間優秀句】

お待たせしました。2019年「年間優秀句」を発表いたします。

[採点方法]2019年に行った句会の天の句37句より、

各自、良いと思った句を5句選ぶ。なお、自分の句は選んではいけない。

(赤字は選者)

  1. 去年今年時のすき間に栞挿す 風樹  奈、す

  2. 柏手に屋根轟かせ雪の滝 めんこ

  3. 北風や音ちぎれとぶ救急車 すみれ  稚、み、風

  4. 寒雷やチューブからでてひっこめり 鉄平  

  5. 電気工かすみ点していなくなり 鉄平  苦、十、す

  6. 勝敗に残り香のあり歌留多会 すみれ  奈、み、鉄

  7. 転んでも起きて駆け出し春たける 庵々  苦、稚

  8. 虹淡しまあるく握る泥だんご 稚女

  9. 誕生の家で遺影がつと動く 風樹  

  10. ふくらはぎ満員電車を切り裂いて 与太郎  十、鉄、風

  11. 若葉雨前行く人の背に染まる みみず  め、み

  12. 山なかの竹林の雨首夏を帯ぶ 庵々  

  13. 満ちみちて甕の底から人の声 苦楽亭

  14. 雨蛙途方に暮れて振りかえる 風樹  奈、稚

  15. はみ出してる若葉が好きでハイタッチ すみれ  み、鉄

  16. 名刺入れ空っぽになり花は葉に めんこ

  17. 蛇口より温水に変わるまでの虚無 風樹  奈、め、智

  18. 長雨に膠乾かず琥珀の蚊 めんこ  苦、す、与、智

  19. 金魚鉢朝の光は一点に 智  

  20. 生まれたての朝の空気に茄子の紺 すみれ  

  21. 迎え火の燃え尽きたあと涼風や 風樹  

  22. 玻璃光り短冊の指揮風の唄 めんこ

  23. 湖上より音走りくる花火かな 智  十、稚、風

  24. キリンゆく首はため息の通いみち 風樹  め、与、鉄

  25. なみだ跡遮光器土偶の目の端に 風樹  苦、す

  26. 遠泳や雲の島にて食うあんパン 鉄平  

  27. ひまわりの種の数列中心円 すみれ  苦、め

  28. 車輪錆び始める音冬ざれて 苦楽亭  す、め、与、智

  29. おしどりのつがい諍う流山 十忽

  30. 流山旧道飾る寒桜 十忽

  31. 農婦来て地蔵いよいよ着膨れし 鉄平  十、稚、み

  32. 月光冴えて眠る人迷う人 苦楽亭

  33. 風冴ゆる折り鶴が向くその向こう 奈津

  34. 冴え冴えと種族の年表終わりけり 鉄平  

  35. 三絃の二上がりの音の冴ゆる夜 十忽  

  36. 久方の外路や白線冴ゆひかり みみず

  37. モノクロの冴えの境界流血す 与太郎

 

という訳で見事「2019年 年間優秀句」に輝いた句は

長雨に膠乾かず琥珀の蚊 めんこ

車輪錆び始める音冬ざれて 苦楽亭

の2句でした。おめでとうございます。